岩泉の森とお客様の暮らしとの間に
岩泉純木家具は、地元の木を丸太から仕入れ、自社で製材からデザイン、製造、販売まで、一貫して手掛ける国内でも珍しいメーカーです。
なぜ地元にこだわるのかといえば、「地域」と「お客様」とを深くつなぐことができるからです。地元の木を使い家具をつくり、切り出した木の場所にまた木が育つ。そうすることで、自然環境や林業経済に循環が生まれ、互いに良い影響を与え合うことができます。
その一方で、オーダー家具を通じて、お客様の生活やライフスタイルとも深くつながることができます。
私たち岩泉純木家具はこれからも、地元の自然と木、そしてお客様への想いを大切にして家具作りを続けてまいります。
三百年生きてきた木は、
三百年使える家具に。
この木は、何に使われたら喜んでくれるのだろう?
この人は、どういうものを望んでいるのだろう?
木に語りかけ、使う人と話し合い、真心こめて作りあげる。
木にも使う人にも喜んでもらい、その報酬で私たち自身の幸福を実現するとともに、
地域社会、ひいては世界の平和に貢献しよう。
岩泉純木家具創業者 工藤宏太
家具を作ること、
木を愛すること。
私たちの仕事は単純な「家具作り」ではありません。
「素晴らしい岩手の木と皆様の間を、家具を通じてつなぐ架け橋」だと考えています。
そして何十年、更にはそれ以上にわたってご愛用いただくこと。
そのためには、素材、技術、そしてオーダー製作という3つの柱が必要です。
家具作りへの想い
岩手県産材へのこだわり
岩泉純木家具の前身は製材所。
創業者の工藤宏太が、
「何百年も生きてきた大木を、注文主に言われるがままに細かく切り刻むのは、木の命に申し訳ない」
と考えたことがきっかけでした。
岩手の山で100年以上にわたって、四季の移ろいや地域の歴史を見守ってきた木々。高級銘木を輸入して使うのではなく、地元の木々を使い、地域の自然や文化に敬意を表すこと。そして、その木々の魂を、家具という形で皆様の暮らしの一部にしていただくこと。
それが、私たちが生涯をかけて追及する仕事なのです。
家具作りへの想い
お一人ずつに合わせたオーダー製作
服や靴を選ぶときは、見た目だけではなくサイズ選びも重要です。でも、普通のテーブルや椅子は、縦横サイズはともかく、高さを選ぶことができません。それでいいのでしょうか。
テーブルや椅子の高さは、快適さや腰の負担に影響します。身長や体格に合わせて調整できると、楽に座れます。
キャビネットや食器棚は、デザインをご自身の好みやインテリアに合わせ、さらにサイズもフィットすることで、お部屋が素敵になります。
そんな理想の家具を作るのは、オーダー家具ならではです。
家具作りへの想い
伝統工芸に裏打ちされた職人技術
当社の家具作りは、塗装などの一部工程を除き、分業制をとっていません。
耳付きの「ただの板切れ」の状態から、部材を切り取り、削り出し、木組みを作り、研磨し、組み立て、仕上げるところまで、ほぼ一人で行います。
作業工程も、大きな機械を使う時間は非常に短く、大半は鉋(かんな)や鑿(のみ)、サンドペーパーなどの手作業です。
とりあえずすべての家具を作れるようになるまで5年、そこから十分な早さで作れるようになるまでさらに3年。
その後は65歳、70歳を超えるまで腕を磨き続け、現役の職人であり続けます。
このような技術でつくるからこそ、何十年、それ以上もご愛用頂ける家具ができるのです。
岩泉町の工房から
岩泉純木家具の本社は、岩手県岩泉町。
本州一広い町としても知られ、その広大な面積のおよそ9割以上は森林です。
透明度世界有数の地底湖をたたえる龍泉洞から流れ出る渓流の傍らにある本社工房は、昭和30年代の製材所の建物。
私たちの家具はすべてここから生まれ、修理やリフォームもここで行われます。
予めご連絡をいただければ、お一人からご見学も承ります。
ご自身の家具を製作した職人に会ってみませんか?
岩手県の自然と職人技術から生まれる家具
岩泉純木家具は、ただの家具ではありません。岩手の豊かな自然と職人の技が生み出した逸品です。木のぬくもりと美しさを感じられる家具は、お客様の体格や用途に合わせて大きさや高さを調整し、インテリアに合わせてデザインも変更できます。
私たちの家具は何十年でも、お客様の暮らしに寄り添います。
木を切るだけの仕事から、木を慈しむ仕事へ
はじまりは昭和40年代。当時は注文主に言われるがまま、大木を裁断するだけの製材所でした。「細い材木であっても、細い木から切り出すのは非効率。大木から切り出した方がコストパフォーマンスがよい」という世界です。当時たくさんあった三百年物の大木も、注文通りに裁断しなければなりません。
それに疑問を感じて、製材業をやめ、家具作りを始めました。
「大木はその風格を後世に伝える大きいテーブルにしよう。大きい木は、大きいままに生かせる家具にしよう」
私たちの歴史は、「よい家具を作ろう」という想いから始まったのではありません。「厳しい自然の中、何百年も耐えてきた木の生き様を、どうにかして後世に伝えたい」という想いからです。
この想いは創業から半世紀近くたった今でも、あらゆるスタッフに受け継がれています。
大木に抱かれる安らぎを、皆様のお部屋に
木の魅力。それは、使うほどに風合いを増し、質感を変えていくことです。まるで役者が歳を重ねるように、新品では表現できない美しさと格調が生まれるのです。素材、技術、オーダー注文、そして使い続ける長い年月。それらがすべて融合して、私たちの家具を生み出します。
私たちは「高級家具を作ろう」とは考えていません。「できるだけ低コストで作ろう」とも考えていません。「たとえ高額になったとしても、私たちの技術をすべて注ぎ込もう。数百年という木の寿命に恥じないものづくりをしよう」という想いを共有しています。
私たちの家具が長く愛される理由はそこにあります。そして、湿度などお部屋の環境管理やお手入れなど、使い手の皆様のご協力があってこそ、何十年、何百年でも、大木が家具として生き続けるのです。